「あらしのあと」 岩波少年文庫
娘が夏休みの読書にと学校の図書室から借りてきた本。
だけど、3年生の彼女には少し難しかったようで(対象・小学5年生以上)全く読まずじまい・・・
せっかくなので、返却前にちらっと目を通してみようと軽い気持ちでページをめくった私。
と、これがとても面白くて、結局は熟読してしまった。
第二次大戦を経たオランダ、ある田舎町に暮らす医者一家の話。
家族は、ナチスの侵攻下でつらい日々を送り心に傷を負いながらも、愛情や信頼関係を軸に懸命に前に進んでいこうとする。
憎しみや悲しみに囚われていては、本当の幸福は訪れないと知っている。
困難に時折くじけそうになりながらも、心の軌道修正を図りながら少しづつ道を切り開いていく。
「上手くいくこともいかないことも、楽しいことも辛いことも、きちんと向き合っていこう。根底にゆるぎないポリシーを持ち誠実に物事にあったっていれば、あるとき潮が満ちるようにいろんなことが良い方向に進むことがある」とは、ちょっと前に旦那さんと交わした話題。
この物語の最後に、長年の苦難が一気に報われるような明るい光が一家に注いでいくシーンを読んでいて、ふと思い出した。