ショウウインドウからアトリエへ

松屋銀座さんのウィンドウで使われていたデニムや刺繍のワッペンが、アトリエに届きました。

箱を開けると、あの華やかな銀座の景色が蘇るようで、布たちがまだその空気をまとっているようにも感じました。

松屋銀座さんの正面入口や売り場、地下鉄へ続く通路のウィンドウ。

たくさんの人が行き交う場所で、多くの人の目を引き、気持ちを高揚させながら、街や空間の一部になっていたものが、今こうして私の小さなアトリエにあることが、なんだかまだ不思議です。

広島・福山のデニム、群馬・桐生の刺繍。

生産者の方たちが手間と時間をかけて生み出したものたちは、その人々の思いごと宿っているような気がしています。

広島や群馬から銀座へ巡り、ひとつの美しい景色となり、役目を終えて解体され、今度はまた素材として静岡の私のもとへ。

これから丁寧に時間をかけながら、この素材たちが持つ時間や思いも受け取り、しっかりと次の形へつなげていけるよう向き合っていきたいと思います。

母の日に

春の景色の中に、
小さな花たちが咲いたようなブローチになりました。

この作品に使っている葉は、
義理の母が作った染め花のものです。

染料を調合し、
布を染め、
一枚ずつカットしながら、
コテを当てて立体に仕上げていく。

時間と手間をかけて作られた葉たち。

以前にご紹介した旦那さんのお母さんから受け取った葉がこうして、形になりました。

役目を終えたレザーの洋服や、
パールのアクセサリーなど、
それぞれ別の時間を過ごしてきた素材を、
義理の母が作ってくれた染め花の葉と合わせて、
小さな花束のようなブローチにしました。

今日は母の日。

毎日誰かを想い、支えながら、
日々を重ねている全てのお母さんたちに、
小さな花束を贈るような気持ちで投稿します。

お母さんの美しい手仕事

これまでも何度か綴ってきたように、旦那さんのお母さんは、50年以上 布花を作り続けている手仕事の大先輩です。

染料の調合から、布のカット、一枚一枚コテで立体をつくるところまで、すべて手仕事。

今回、お願いしていた小さな葉をこんなに沢山作って届けてくれました。

染料から手をかけているだけあって、ニュアンスのある美しい色合いと、繊細な形と立体感。いつもながら美しい作品、そして、思っていた以上に沢山準備してくれていて、その一つ一つに時間と手間がかかっていることを思うと、本当に有難い気持ちになります。

これまでも、こうした美しい布花や葉を使わせてもらいながら、作品を作ってきました。

革のコサージュと合わせたり、

贅沢にもこんなにふんだんに布花を重ねたつけ襟風ネックレスも。

お母さんの丁寧な手仕事で生まれたものを、こうして私の作品の中で重ねていけること、そしてそれを「使っていいよ」と応援してもらえること。その両方に感謝を込めながら少しずつ作品の中に息づかせていけたらと思います。

ちょ太へエールを込めて贈ります!

思いがけない春休みの骨折で、少し遅れてのスタートになりましたが、ちょ太はこの春から、大学の近くで一人暮らしを始めることになりました。

高校生の頃には、県外の大学に進み一人暮らしをしながら大学生活を送りたいという希望をもっていました。私たちもまた、子育ての1つのゴールを「自立」に置いてきました。

そうした思いを持ちながらも、入試から様々な選択を経てご縁のあった地元の大学へ進学しました。

昨年の入学からの1年間は、実家から通学していましたが、公共交通機関の便があまり良くなく、サークルのある日は帰宅が遅くなり、もれなく友達の家に泊めてもらってきました。

そんな日々の中で、あらためて考えたのが「自立」ということ。社会に出る前に、自分のことを自分で考え、整えながら暮らしていく時間の大切さを感じ、また、本人の意思もあって、この春から一人暮らしを始めることにしました。

新しい部屋で使う、キーホルダーとガラスのランプシェード。どちらも、毎日の暮らしの中で触れたり、目に留まったりするもの。

これまでのように、身の回りのことに手をかけてあげたり、同じ空間で時間を共有することは一区切りを迎えるけど、ちょ太の一人の時間にこの手作りの品々がそっと寄り添ってくれますように、、、これからの日々が実り多いものになりますように、、、そんな気持ちを込めて作りました。

少し遅れて始まるちょ太の一人暮らしにエールを込めて贈ります!

アパートの鍵用にキーホルダー。ちょ太のリクエストに応え、ブルーの革で作りました。いつも通り手縫いで一針一針チクチク。

こちらもちょ太のお好みでアンバーカラーをセレクト。優しい光で部屋がくつろぎの空間になりますように。

新たな取り組み

先日、いつもポップアップでお世話になっている
松屋銀座さんに伺いました。

画像は、その時に出会った
美しいショーウィンドウの数々。

松屋銀座さんの「地域共創」の取り組みの中で、
この時には広島県福山市のデニムと
群馬県桐生市の刺繍を用いたディスプレイが展開されていました。

カジュアルな印象のデニムが、
ロングドレスとして仕立てられ、
銀座の街にふさわしいエレガントな存在感に。

思わず足を止めて見入る方や、
写真を撮る方の姿も多く、
素材の魅力を活かした空間の力を強く感じました。

実は今回、 大変光栄なお声がけをいただいています。

この店内ディスプレイやショーウィンドウで使用されたデニムと刺繍を、新たな形へとつないでいく取り組みに、 関わらせていただくことになりました。

このお話は、昨年秋に出店させていただいた際にいただいたものです。

松屋銀座さんが取り組まれている「地域共創」は、
日本各地で受け継がれてきた伝統工芸や産業に光を当て、新たな価値へとつなげていく取り組み。

その流れの中で、今回の機会をいただいています。

先日伺った際には、担当の方が時間をとってくださり、ショーウィンドウをご案内いただいたり、デニムの生産者の方をご紹介いただいたりと、ものづくりの背景にある工程や技術について、直接お話を伺う機会をいただきました。

長くものづくりに携わってきたからこそ、完成品の目に見える美しさだけでなく、その奥にある熱い想いや背景に直接触れられたことが、今回とても大きな意味を持つ時間となりました。


また、身近な素材であるデニムが様々な技術を駆使されて製造させている工程を初めて知り大変勉強になりました。

静岡という場所で、手仕事とアップサイクルのコンセプトを大切にしながら続けてきた制作がこうした形でご縁に恵まれたこと、

デザインの力を大切にされている松屋銀座さんの地域共創の取り組みの先に、自分の制作が活かされる機会をいただけたことに、大きな感謝と責任を感じています。

これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、この機会にしっかり向き合い、次の形としてお届けできるよう取り組んでいきます。

ご挨拶

年をまたいでのご挨拶となってしまいました。
あらためまして、2025年も本当にありがとうございました。
そして、2026年もどうぞよろしくお願いいたします。

2025年は、この「小さな生活」を書き始めてから、そしてモノづくりを始めてから、丸20年という節目の年でした。子どもたちがまだ小さかった頃、日々の暮らしの中で感じたことや、つたないながらも始めた手作りのことを、ぽつりぽつりと綴り始めたのが、このブログの始まりでした。

そんなスタートから20年も続けてこられたのは、たくさんの方のおかげさまに他なりません。特に、作品の展示会では、このブログを通して出会ってくださった方々の存在の大きさを、折に触れて感じてきました。

展示会のたびに足を運んでくださる方、遠方から時間をかけて来てくださる方。その中に、この「小さな生活」をきっかけに出会い、子どもたちの成長も含めて、長い時間を見守ってくださっている方が多くいらっしゃることを、実感し感謝の気持ちは尽きません。言葉を交わし、作品を直接ご覧いただけること。そのひとつひとつが、どれほど大きな支えになっていることか。

また、20年という節目の年に、アトリエをセルフリフォームしたことも、私にとっては大きな区切りとなりました。これから少しずつ、この場所にもお客様をお迎えできるようにしていけたらと思っています。

私生活では、ちょ太が大学生になり、これまで当たり前だった「子育て中心の時間」から、少しずつ離れていく感覚を実感しています。この春からは大学の近くで一人暮らしを始める予定。また、新しい一歩を踏み出そうとしています。

お姉ちゃんは11月に結婚し、新しい生活を始めました。大切に育ててきた娘が、人生のパートナーと出会い、共に歩んでいく姿を見られることは、親として本当にありがたく、安心しました。そして、娘を人生のパートナーとして選び、いつも大切に思ってくれている彼にも、心から感謝しています。

↑今年9月に家族で大阪万博に行った際の旦那さんと子どもたち、3人の後ろ姿

↓2008年4月、私たちのターニングポイントとなった静岡定住を決めた頃の3人の後ろ姿

こうして振り返ると、制作においても、子育てや日々の生活においても、手探りしながら一歩ずつ進んでこられたのも、たくさんの方々のおかげさまで今があるのだと、改めて感じます。支えてくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。

新しい一年も、すぐそばに当たり前のようにあることの大切さを、決して見失わないように。日々の生活や制作に真摯に、丁寧に向き合いながら、ひとつひとつ取り組んでいけたらと思います。

皆様の2026年が健康で幸多い一年となりますようにお祈りしております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

Fossetさんの展示会ありがとうございました

Fossetさんにて開催いただきました展示会が、20日をもちまして、おかげさまで無事に終了いたしました。

会期中には、作品をお迎えくださった方々がメッセージや、ご自宅に飾ってくださったお写真を何人もの方が送ってくださいました。そのお写真はInstagramのストーリーズでご紹介させていただきましたが、それぞれの暮らしの中にリースが置かれている様子を拝見し、作り手としてとてもありがたく、励みになりました。

また今回は、リースに加え、アップサイクルのアクセサリーやランプシェードも展示させていただきました。

Fossetさんでは、静岡にお店があった頃から長く年末の恒例としてリースを展示させていただいていますが、昨年からはランプシェードやアクセサリーも加わり、作品をトータルでご覧いただけること、またリース以外の作品にも関心を寄せてくださるお客様が多いことを、とても嬉しく感じました。

師走のご多忙の折、神奈川や埼玉、大阪、静岡など、遠方からも含め多くの方々にお運びいただき、心より感謝申し上げます。

そして、毎年丁寧に作品をご紹介くださり、素敵な空間で展示の機会をくださるFossetさん、このブログを通して気にかけてくださった皆さまにも、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

なお、残りわずかとなりましたが、
リースとガラスランプシェードは、
引き続き12月29日まで展示していただいています。

追加の納品いたします

11月29日からスタートしています愛知のFossetさんでの展示会、お陰様で多くの方にご来場いただきましてありがとうございます。

数が少なくなっておりましたリースについて、明日13日のお届けで追加納品いたします。

追加分の作品についてご紹介させていただきます。

レモングラスをベースに、流れるような縦のラインとサイドに丸くねじったアクセントを組み合わせたデザインです。レモングラスとユーカリのまっすぐなラインが自然な動きを生み、植物らしい伸びやかな表情を引き出してくれています。

アジサイ、ピンクッション、ワイルドフラワーなど、質感の異なる植物を重ねているので、色彩やフォルムの変化も一つのリースの中で楽しんでいただけます。黒い麻のリボンでキュッと締めることで、ナチュラルな素材ながらも程よいメリハリを添えました。

今回の展示会の作品で使用してレモングラスは全て富士山を望むさんぽ道さんのお花畑から分けていただいたものです。レモングラスが育まれた富士山の懐の澄んだ空気や、広がる景色の記憶ごと、このリースがお部屋に運んでくれたら嬉しいです。

以下レモングラスを使った作品が続きます。

レモングラスの“まっすぐなライン”を活かしたスワッグ。

直線の中に、ユーカリのドライやふわりとした穂、
サンキライの赤い実をリズムのように添えて、
異なる質感が静かに表情をつくっています。

グリーン × レッドの彩りは、
クリスマスの気配もありながら、
どこか和の空気もまとっていてお正月のお飾りとしても、年末年始の彩りになりそうです。
もちろん、その他の季節も一年中楽しめるデザイン。サイズ違いで3点、ご用意しています。

こちらもレモングラスの作品で、季節柄、お正月のお飾りとしてお使いいただけます。

束ねているのは、和紙のような雰囲気もある本革で、以前にお財布やバッグのオーダーを承っていた頃から大切に使ってきたものです。さりげなく、高級感を添えてくれます。

こちらの「どんぐリース」も追加で制作することができました。

毎年の展示会で2点ずつ出品してまいりました作品で、有難いことに早い段階で気に入ってくださる方とのご縁に恵まれ、今回もすでに2点とも旅立っております。

会期前半にご都合がつかなかった方や、どんぐリースを心に留めてくださっている方がいらっしゃいましたら、13日以降のこの機会にご覧いただけましたら幸いです。

Fossetさんの展示会スタートしています

Fossetさんでの展示会が11月29日より、おかげさまで無事にスタートしております。
初日は一日在店し、作品をご覧にお越しくださった多くの方々とお話をさせていただき、胸がいっぱいになる一日となりました。

作品に向き合いながら、植物へのまなざしや制作の過程について熱心に耳を傾けてくださる方が多く、「作り手の話を聞くと、作品の見え方が変わる」そういったお言葉をいただけたことは、在店させていただいたからこその有難いひと時となりました。

そして今回も、この「小さな生活」に長くお付き合いくださっている方々が、遠方からわざわざ愛知まで足を運んでくださいました。

初日には思いがけないご来店に胸がいっぱいになったのに続き、平日にもまた別の方がお越しくださったとFossetさんから伺い、言葉では足りないほどの感謝の気持ちで満たされています。

静かに綴ってきたこのブログに、長い時間寄り添うように読み続けてくださり、今回の展示にもこうして足を運んで作品をご覧いただけること。そのひとつひとつが、どれほど大きな励ましになっているか、計り知れません。いつも本当にありがとうございます。

出品しましたリースやスワッグをブログにお付き合いくださっている皆さまにも、画像でご紹介させていただきます。展示の雰囲気を少しでも感じていただけたら嬉しいです。また、インスタグラムでは初日の朝、全作品が揃った店内の様子も動画でご紹介しております。お時間ございましたらご覧いただけましたら嬉しいです。

今回の展示では、これら作品のほか、アップサイクルのアクセサリーや、ガラスの器をリメイクしたランプシェードなども出品しています。リースやスワッグは有難いことに残りが少なくなりつつありますが、追加納品(12月13日を予定)も致します。

会期は12月20日まで。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

気持ち新たに

松屋銀座さんでの展示を終えて、
少しずつ気持ちを冬のリースの制作へと。

朝の森を歩きながら、
見上げた大木の葉や、足元の木の実のかたち、
冷たく澄んだ空気を感じて、
自分の中のモードも少しずつ切り替わっていきます。

あまり器用な方ではなく、
東京での日々から戻ってもしばらくは、
どこか放心状態のような時間がありましたが、
こうして自然の中を歩くうちに、
少しずつ次の制作へと心のスイッチが
入っていくのを感じています。

ただ素材を買ってつくるのではなく、
森で見た景色や感じた空気、
季節の気配も一緒に、作品の中へ
折り込んでいけたらと思います。

11月29日からスタートするFossetさんでの展示に向けて制作を進めてまいります。