祈りを込めて

最新作のブローチは、色も形も様々な小さなパーツをつなぎ合わせて出来上がったハート。

そのパーツのなかの1つ、一輪の小さな小さな赤い薔薇

これは、このブログをきっかけに、長くお付き合いさせてもらっているKさんが「作品に使ってください。」と託してくださったもの。百貨店のテーラーの内職のお仕事をしていたKさんのおばあ様からお母様へ、そしてKさんへ引き継がれたボタンや手芸材料品の数々を、私に託してくださったうちの1つで、2021年の夏に能登町のご実家から東京のKさんを経由して静岡の私に届きました。

この赤い薔薇がやってきた能登町は、この度の地震で大きな被害を受けました。Kさんと1月にやり取りさせていただいた際、震災後3週間たって、やっと金沢でお母様と会うことができたと伺いました(その時にお母様は地震発生以来初めてお風呂に入られたとのこと)。お母様は、避難所での生活、ライフラインも途絶えご自身の生活もままならないなか、公的なお仕事をされていて、毎日悪路を1時間半かけて職場に向かい、地域の為にお仕事に励まれているとも伺いました。

これまで、Kさんから託していただいた品々を作品の中にいくつも組み込ませて頂いてきました。その都度、私はKさんのお気持ちや、能登のおばあ様やお母様の元で過ごしてきた時間も作品に組み込むような思いで制作してきました。そして、今作では、その思いにプラスして、Kさんのお母様はじめ被災された方々が少しでも心穏やかに過ごせますよう、復興が少しでも早く進みますよう祈りを込め、1針1針進めていきました。

折しも、季節は3月。2011年の東北震災以来3月11日に毎年、制作のお仕事でお客様から頂いたお金から募金をしてまいりました。僅かばかりではありますが、一時的ではなく、細くても長くの思いで続けてきました。また、年月の流れの中で薄れゆく震災の記憶や衣食住足りて暮らせる日々に感謝を忘れないようにと自分への戒めもそこに込めてきました。今年はKさんのご実家であり、この薔薇が長く時を過ごしていた能登町へ募金させていただきました。

テトリス

母から宅配便が届いた。箱を開けると、いつもながらのテトリス状態。縦に置いたり、横に置いたり、緩衝材無しでスペースを完璧に埋めるハイレベルな母の業。

畑で育てたブロッコリー。ホタテの袋に入っているのはホタテじゃなくて(笑)、自家製の切り干し大根。

ブロッコリーと切り干し大根を取り出すと、「皮付」と書かれた包み。これは、畑で採れたネギが皮付きのまま入ってました。この方が日持ちするので有難い。

ざらめおせんべいも入ってる!

皮付ネギの包みを取り出すと、白菜、菜花。どちらも母の畑の収穫物。右奥の箱の中身は後ほど。。。

ざらめおせんべいを取り出すと、その下には新聞紙に包まれた皮付じゃないネギ。

新聞紙に包まれたネギを取り出すと、、、

まだ入ってる!!

これも母が畑で育てた人参、それに、りんごが2個。

そして、先ほどの箱の中身は、母の手作りさつま芋のパウンドケーキでした♪

テトリス状態の箱に入れても潰れないよう、これだけは別箱に入れてくれたんだろうなあ。お母さん、ちゃんと綺麗な状態で届いたよ。

1つの段ボール箱の中に自家製野菜や手作りケーキなど全11品。テトリス上級者みたいな母の箱詰め業のレベルの高さは、多分、私たちの事を思ってくれる気持ちの大きさに比例している。

1つ1つ増やしていただき、3つ目を

お客様から届いた嬉しいお写真のご紹介が続きます。

先日、ガラスランプシェードをお届けさせていただいた神奈川のSさんより、ご自宅にシェードを飾ってくださったお写真をお送りいただきました。

ダイニングテーブルの上に、3つ並んだランプシェード。1つ1つ違う形のシェードですが、それもまたオリジナルな楽しさと調和があってとっても素敵!

3つが違う形というのは、ご依頼のタイミングも関係しているかもしれません。というのも、1度にまとめて選んでいただいたわけではなく、1つ、また1つと暮らしながら、もう1つ足してみよう。と思ったタイミングでご依頼くださったのです。(2つ目をご依頼くださった時の記録→暮らしの中に迎えていただきました

3つ目の今回、ご連絡いただいた当初は平たい形でとご希望を伺いました。ご希望に沿って、いくつかご提案させていただく過程で、お子さんも含めご家族4人で、既にお持ちの2点との相性やそれぞれのお好みを相談し合って、最終的にお選びいただいた3点目(一番手前)です。

メールでのやり取りから実際にお届けした後、お子さんも「いいね。」とおっしゃってくださっていると伺い、とても嬉しかったです。

1つ前にご紹介したNINOhouseから13年を経たメール然り、

Sさんからの3つ目のシェードのご依頼然り、

折しも、私にとって変化の真っ只中、satosatosaから独立し、NINO1本でやっていこうというタイミング。頑張ろう!と思う気持ちの一方、不安もあった時に、制作を通じて恵まれたご縁が変わらずに長く続いていることを実感する出来事でした。

活動の仕方は変わっても、制作するものに込める気持ちは変えることなくやっていけば大丈夫、と背中を押してもらったような出来事でした。ありがとうございました。

クリスマスプレゼント

少し時間を遡って、昨年のクリスマスイブの晩に思いがけず届いた嬉しいメールについて。ご許可いただきましたのでご紹介させていただきます。

「中村様

ご無沙汰しております。浜松の○○でございます。
その後いかがお過ごしでしょうか。
クリスマスという事で、以前お譲り頂きましたお家も健在で、本日も飾りながら夕食を迎える予定です。ふと思いつきでのご連絡、お許しください。

息子も21となり、現在は京都にて大学生活をエンジョイしております。
当時のピュアな部分は微塵も無くなりましたが、明るく元気に過ごしております。現在は、15歳の受験生の娘が、その後も大切に飾ってくれております。
どんぐり達も元気です。

またどこかでお会いできれば幸いです。

では良いクリスマスと、良いお年をお迎えください。」

メールを開いたとき、全てを読むまでもなく、初めのお名前でですぐに記憶が甦りました。2010年に手創り市に出店した際に出会った、男の子のお父さんだ!と。

モノ作りの喜びを感じたとても心に残る出来事で、下記の通り当時の「小さな生活」と、手創り市のブログ「つくり手の声」にもエピソードを綴らせていただきました。

あの時に好奇心いっぱいの眼差しで作品を観てくれた男の子が、もう大学生になって親元を離れて暮らしているんだなあ。まだ幼稚園に入る前だった娘さんは中学三年の受験生かあ…お子さんの成長を伺い、長い年月の流れを感じると同時に、それだけ長く時が流れた今も、NINOハウスが変わらずご家族の日々の傍らに置いていただき明かりを灯してもらっていることを知り、本当に嬉しかったです。

そして、この出来事をきっかけに、↑に挙げたエピソードを綴ったブログと、そこからリンクして、手創り市のサイトに寄せた文章も読み直したりして(商業的にモノをやり取りするだけでなく気持ちの交流をさせてもらった、というような内容)その時に思ったことを13年後に再確認し、モノ作りをしていく上で、自分が大切に思うことを改めて心に刻みました。

また、小出しhouseを選んでくれた息子さんや今も大切に飾ってくださる娘さん達の成長にはずかしくないように、私も作り手として成長していきたいなあとも思いました。

送ってくださったメールに添えられていた写真 
13年前の変わらぬ姿で明かりが灯っていました。
どんぐり君たちも元気!!
大切にしてくださり、本当にありがとうございます。

・・

私にはサンタさんは来なかったけれど、このメッセージとお写真が何よりのプレゼントだと感じた2023年クリスマスイブの晩の出来事でした。

リビングの窓から

冷たいけれど澄んだ空気の冬晴れの朝。こんな日はリビングの窓からの景色が一層美しい。

北側の大きな窓からは富士山

西側の窓からは街並みの向こうに広がる駿河湾と伊豆半島。

この景色が暮らしの中で常に望める幸せを毎日感じる。そして、この美しい景色を愛でることができるように作られたであろう、大きな窓を備えた家を51年前に建ててくれた初代オーナーTさんへの感謝も日々感じています。

その初代オーナーTさんとは、家へいらしてくださった後、もう一度お茶をご一緒する機会に恵まれ様々な話を交わしました。そして、その後程なく、残念ながらご病気の為にお亡くなりになられました。

もうお会いすることは叶いませんが、若い頃に文字通り心血注いで頑張って建てられたこの家には、今もTさんのスピリットが宿っていると感じています。大きな窓からの美しい景色を望む度、思うのです。素敵な今を建ててくださりありがとう、ご縁に恵まれ住ませてもらっています、ありがとう、と。

いっしょにあそぼうね

棚の整理をしていたら、こんなかわいい手紙を発掘^^

「いっしょにあそぼうね」とつたない文字で綴ったのは、10年以上前のこの人↓

今では、「いっしょにあそぼうね。」なんて可愛いセリフは言ってはくれませんが、部活の遠征などに帯同して「いっしょ」の時間を過ごしている。

毎週末のように親の出番があって忙しくもあるけれど、それもあと数か月。

部活を引退し、大学に進めば家を出るかもしれません。

部活がオフだった年末には駆け足で関東の大学をいくつか見学に行きました。

すぐ近くで頑張る姿を応援し、成長を見守れる時間、我が家で日常を共にできる時間ももうあとわずかかもしれません。

「いっしょ」に過ごせる「今」に感謝して大切にせねば。

無事に終了しています。ありがとうございました。

ご報告が遅れましたが、10月28日から11月5日まで出展させてもらいましたグループ展、おかげさまで無事に終了しています。

開催から会期中のブログの投稿が出来ないままでしたが、有難いことに沢山の方々にお運びいただき、とても楽しく充実したあっという間の9日間になりました。

satosatosaのインスタグラムにグループ展でご一緒した素敵な5名の作家さんの案内や、ギャラリーをお借りしたОECさんのこと、お越しくださった方々の着画像など投稿しておりますのでお時間ございましたらご覧いただけたら嬉しいです。

初日は助っ人で娘が手伝いに来てくれました。ありがとう。

無事に展示を終えての思いも、satosatosaのインスタグラムに綴っておますので、重複しますが、こちらでも記録させていただきます。毎回の事ですが、この「小さな生活」をご覧くださっている方々にもお越しいただいており、ブログを通じての長いお付き合いと共にわざわざ足をお運びくださり、作品をご覧いただけることに感謝の念が尽きません。ありがとうございます。

以下、satosatosaインスタグラムより。

グループ展Art in Life、無事に終了しました。期間を通じて多くの方々にお越しいただき心より感謝申し上げます。

最終日、締めくくり間際の時間のこと。忙しくされていることを風の便りで伺っていた方が思いがけずお越しになり、作品を丁寧にご覧くださり、お似合いの一品を選んでくださいました。お見送りした後、その方への感謝と共に9日間にお越しくださった皆さんやお世話になった方々への感謝の気持ちがどっと押し寄せてきて、思わず涙が。ギャラリーに居た誰もが「えっ?聡子さん??なぜ突然泣いてるの?????」という感じになり、自分でも予想外に感情が動いた経験でした。

世にあまた溢れるアクセサリーやバッグ。安価で、わざわざ足を運ばなくてもワンクリックで一瞬に手に入る便利なお買い物がいくらでもできる時代。それなのに、決して安くはなく、年に1度か2度、しかも、不特定な地域で対面販売のみのsatosatosaにお付き合いくださり、楽しそうに作品をご覧くださったり、身に着けてくださる方々の姿を間近かで拝見し、嬉しい感想を直に伺い、有難い気持でいっぱいになりました。

大切な時間とお金をsatosatosaに使ってくださる方々が、1点物の作品を楽しんでくださる気持ちや、アップサイクルのコンセプトや手仕事への共感、応援の気持ちに、私がお返しできることは、これからも丁寧な作業と誠実な気持ちでモノ作りに向き合い、ワクワクする作品を生み出していくことしかない!と改めて心に誓っています。制作に向かうがエネルギー満タンになった9日間!ありがとうございました。

フレー フレー ちょ太!!

酷暑の夏休みも部活のバスケットボール三昧のちょ太16歳。

熱中症警戒アラートもどこへやら??の連日の厳しい練習と指導に、8月中旬には気力も体力も落ち込んでしまい、「もう部活辞めたいな」の危機もありました。何とか乗り越えて再び前を向き、気合が入りはじめた矢先、

練習中に右手の甲を骨折。今度はやりたくてもやれない事態に…

ひと山超えて安心していたところだったので、見守る私まで気持ちが沈みましたが、しばらくして落ち着いて色々考えてみたら、ちょ太が中学でバスケ部に入った頃に願っていたことが蘇ってきました。(小さな生活で振り返り復習

そうだ!ちょ太に部活を通じて経験してもらいことって、単にバスケが上手くなることや試合で活躍することだけではなかったではないか!!

挫折や失敗など一見マイナスに思える出来事、そこでどう気持ちを整え、行動を起こしていくか。それこそが、ちょ太の成長に大切な経験だと、あの時の私は思っていたではないか!!

夏休み中は練習試合も多くあり、試合に出してもらっている姿を見る楽しみに心を奪われてしまって、初心を忘れていた私に一連の出来事は大切なことを思い出させてくれました。

ハードな練習も厳しい指導も、部活をやりたくても出来ない怪我も、その事態に対しどう臨むか。そんな経験がちょ太の成長の糧となることでしょう。ピンチはチャンス!!あの頃の気持ちを思い出し、お母さんは再びちょ太にエールを送ります。

フレー フレー ちょ太!!

400kmの道程の途中

先週の土曜日のこと。愛知に住む友人が自転車の400kmレース(豊橋←→静岡)参加途中に我が家に寄ってくれました。

この暑さの中、ひたすら自転車を漕ぎ続ける過酷なレース。制限時間もあるので、徹夜で走り続けなければならないのだとか。という訳で、30分程度の短い滞在でしたが、さーっとシャワーを浴びてもらってから食事を一緒にし、限られた貴重な時間を共にしました。

ちょうど折り返し地点付近の我が家、この時には既に炎天下の自転車移動200kmのタイミング、疲労も相当なものだったでしょうが、不思議と表情はいきいき輝いており、尽きない話に花が咲きました。それは肉体的な疲れにも勝る、自分のやりたいことに人生の時間を使っている精神の充実の表れなのかなあと思ったり。

20代の頃からの付き合い。お互い歳を重ねたけど、重ねた時間があったからこその輝きがあって、久しぶりの再会がとっても嬉しい時間になりました。

お守り指輪


少し日が経ってしまいましたが、先月の大阪出店での嬉しい有難い出来事の記録を。

もう5年以上、ずーっと着けているピンクの石のリング

これは、この「小さな生活」を通じてご縁があった奈良のT様より送っていた頂いた品。使われなくなった沢山のアクセサリーをsatosatosaに託してくださったうちの1つです。「もし気に入ったものがあれば聡子さんが使ってくださっても」と手紙に添えてくださったお言葉に甘え、そのままの形で私が引き継がせてもらっています。

クラッシックなデザインと石の色が好きなのもありますが、T様をはじめ応援してくださる方々へ感謝の気持ちを忘れないよう、また、制作(のみならず日々)を励ましてくれる存在としてお守り代わりにずーっと身に着けています。

T様が託してくださったアクセサリーの数々


先月のsatosatosa関西初出店にあたり、作品の一部となり新たなカタチになったアクセサリーをご覧いただきたい気持ちがあり、T様にご案内差し上げようか迷いましたが、ここ数年はご無沙汰しており、今もブログにお付き合いいただいているか分からない状況。ご案内することで逆にご負担になってしまっては申し訳ないと、そっと大阪へ行きました。


展示も数日を過ぎた頃、お昼休憩から戻った私にとっても上品な女性が「中村聡子さんですか?Tです。」と声をかけてくださいました。T、、、そう、あのT様だったのです!もう、大感激!!今もブログをご覧くださっていたんだ!!しかも、わざわざ奈良から来てくださったなんて!!

大阪出発前から秘めていた願いが叶った瞬間でした。T様にお会いできてお礼をお伝えできたこと、作品を直にご覧いただけたこと、なんと有難かったことか!そして、私のこの手を見せながら、頂いた指輪をお守り代わりに着けさせてもらっているとの報告もできて感無量。

託してくださったアクセサリーを使って生まれた新しいカタチ(販売済みのものもあり)

今も(これからも)私の指にあるピンクの石に込める感謝と使われなくなったものを創造で次の方へ繋げていこう!という思いをより深めた出来事でした。