「ほぉ~、君はべニシリダカガイという名だったのだねえ。」
BOOK OFFで貝図鑑(小学生用)をGET! ページをめくっては、
これまで名も知らぬまま拾い集めていた貝殻のことを勉強中。
ふとした話の中から、
Oちゃんが貸してくれることになった谷川俊太郎さんの詩集3冊。
短い言葉・表現の中に、
メッセージを感じて(たとえ直接的には言っていなくても)、
思わず手帳に書き留めてしまった一節も。
私が自分から選ぶ類の本ではないだけに、
読むきっかけをくれたOちゃんに、ありがとう。
++
「くり返す 波の教えるのは
ただの1度も 本当のくり返しはない」
手帳に書留めた一節のうちの一つ。
普段、何気なく目にして通り過ぎて行っているものの中に、
実はたくさんメッセージがあるんだろうなあ。
今、こうして谷川俊太郎さんの言葉を通じて、そんなことを感じている私だけど、これからは五感を澄ませて、心を澄ませて、少しずつ自分自身でも日常の中から大切なメッセージを見つけてゆけるようになりたいなあ。
「あらしのあと」 岩波少年文庫
娘が夏休みの読書にと学校の図書室から借りてきた本。
だけど、3年生の彼女には少し難しかったようで(対象・小学5年生以上)全く読まずじまい・・・
せっかくなので、返却前にちらっと目を通してみようと軽い気持ちでページをめくった私。
と、これがとても面白くて、結局は熟読してしまった。
第二次大戦を経たオランダ、ある田舎町に暮らす医者一家の話。
家族は、ナチスの侵攻下でつらい日々を送り心に傷を負いながらも、愛情や信頼関係を軸に懸命に前に進んでいこうとする。
憎しみや悲しみに囚われていては、本当の幸福は訪れないと知っている。
困難に時折くじけそうになりながらも、心の軌道修正を図りながら少しづつ道を切り開いていく。
「上手くいくこともいかないことも、楽しいことも辛いことも、きちんと向き合っていこう。根底にゆるぎないポリシーを持ち誠実に物事にあったっていれば、あるとき潮が満ちるようにいろんなことが良い方向に進むことがある」とは、ちょっと前に旦那さんと交わした話題。
この物語の最後に、長年の苦難が一気に報われるような明るい光が一家に注いでいくシーンを読んでいて、ふと思い出した。
図書館の絵本コーナーで見つけた一冊。
少し前に、古いドアのことをアートと言ったけれど、この本に登場する小屋たちにも同じことを思う。
周囲の景色に溶け込む現代アートのような趣。
写真に添えられた「こやたちのひとりごと」には、思わず笑みが。
谷川俊太郎さんの文です。
3人の子供を育てながら仕事もし、家族のごはんを作る。
そのことを当たり前のようにしてきた人の作る料理は、シンプルながらも愛情に溢れているなあ。
この本の「はじめに」に、書かれていた言葉にハッとさせられる。
一部抜粋
「苦労には、しがいのある苦労というのがあって、家族のごはん作りはそれに値します。仕事から帰って料理をするのは、だれにとってもくたびれること。でも、ほんの少し計画的になって日々準備していけば、手早くおいしい料理がこしらえられるのです。そして、家族のうれしそうな顔を見れば、それが大きな自分の喜びになる。だいたい、肉体的な疲れなど、深く眠れば翌朝にはとんでいってしまうものなのです。それにひきかえ、ちゃんとてをかけてあげずに、のちのちになって、ああしてあげればよかった、こうしてあげればと思い悩む後悔は、寝ても覚めても直りません。とりかえしがつかないストレスになってしますのです。それならば、少しぐらい辛くてもやるべきことをちゃんとやり、毎日が曇りなく気持ちのいい人生を私は選びます。」
料理だけでなく日常の多くのことに通じる言葉だと、何度も何度も読み返してみる。
避けてはいけないのに気付かない振りしてることとか、楽しようと思えばいくらでも楽できることとか、何もしないでも過ぎていってしまう時間とか、そういうことをおろそかにするのはやめねば思った。
過ぎた日を後悔しないように。