記憶を風化させないようにしたい

今年も3月11日が巡ってきました。震災から11年が経った今年は、例年とは少し違った思いでこの日を迎えました。

実は、今年2月に娘が、「自分の目で東北を見ておきたい」との思いから、岩手、宮城、福島をめぐる一人旅に出ておりました。

一人旅の途中に娘から送られてきた沢山の写真や動画から、福島県双葉郡の浜通り沿いの景色を2枚。

原発から漏れ出た放射性物質の影響により長い間立ち入り規制が敷かれていた地域で、倒壊した建物の取り壊しも行われず、今でも当時のままの姿で残っているそうです。

民家やお店が並ぶ通りを見ていると、自分が今くらしている街並みと重なり、11年前には確かにここで営まれていた人々の暮らしが目に浮かんできます。

こうした画像や、彼女が現地で感じた思いなどを見聞きするにつけ、少しずつ薄れつつある私の中の震災の記憶を改めて心に刻みたいと思いました。

そして、11年前に細くても長く続けていきたいと思ったことも忘れないように。今年も制作を通じて皆様から頂いたお金の中から寄付をさせていただきました。娘の東北一人旅を通じ、福島の方に大変お世話になったご縁がありまして、東日本大震災福島子供基金に寄付させていただきました。

その意気だ!

本日、高校入試の第一志望の筆記試験だった、ちょ太。

得意の数学が振るわなかったそうで、テンション低く帰宅。そんな様子を見ている私も、つられて心配な気持ちに。

でも、「ごちそうさま。」と彼が差し出したお弁当箱の蓋を開けて安心した私。ご飯粒一つも残さずに綺麗に完食してあった。

試験に勝つ! 玄担ぎして朝からトンカツ弁当を作った私に、「緊張してるから全部食べられないかも。」と言っていた彼。2時間目の数学で躓いたのに、お昼ご飯は見事に完食とは、気持ちを切り替えてパワー補充したんだな。

さあ、明日は2日目の面接。「座右の銘は?」と質問されたら「失敗の無い人生が失敗。」と答えると言う彼。

そうだ、その心意気だ!努力が報われて合格するのも成功だけれど、たとえ不合格だったとしても、人生全体で俯瞰してみた時に、それを成功への布石にできれば結果オーライ♪

明日はちょ太の言葉でちょ太の思いを伝えられれば、それが成功だよ。

元気100倍!

「今からお届け物に伺いますー。」と日曜の夕方にKー子さんから突然の電話。その後、程なくいらしてくださったK-子さんと娘ちゃんのRちゃんから、こんな沢山の嬉しい品々のプレゼント!

手作りケーキに手作りオランジェット(柑橘類はもちろん杉山農園産!)。なんだか縁起が良さそうな^^開運のお酒もありました。

Kー子さん、只今、お仕事のターニングポイントの真っただ中。やることいっぱいの忙しい時に、わざわざ手作りしたお菓子を車でも往復一時間以上かかる我が家まで届けてくれたのは、今週にあるちょ太の公立高校入試へのエール。

某ケーキ店の箱に入れてくれていたピーカンナッツタルト。人気店のロゴも完全な脇役になる、Rちゃんの可愛い💛イラストとメッセージ。

シールにも心強い言葉の贈り物。ちょ太を思ってくださる気持ちに、ぐっとくる。

じゃーーーん!お店で売っているケーキと遜色ない、と言うか、プロのお仕事。

オランジェットも素材のミカンの栽培から、ドライへの加工に至るまで、すべての工程を杉山家の手によるもの。

晩御飯のスペシャルデザートで感謝して頂きまた♪

おいしいお味+手間暇かけられた時間+気にかけてくれる愛情のトリプルパワーで、受験生ちょ太は元気100倍!昨晩は、遅い時間まで機嫌よく机に向かっていました。

勉強や受験のノウハウについて塾でもそれはそれはお世話になっているけれど、疲れたり緊張したりしている気持ちを癒したり励ましたり、前向きにさせてくれるのは、こうやって愛情を注いでくれる周りの方々の存在が一番のエネルギー源。先日のМさんのエピソードの時もそうだったけど、満たされた表情でおいしそうにケーキを食べるちょ太の表情を見て思うのでした。

幸せ と 再決意

こちらは昨年10月の松屋さんの展示にいらしてくださったお客様であり、このブログに長らくお付き合いくださっているkさんのお写真です。

松屋さんでバングルをお求めくださった際の嬉しいエピソードを以前にブログに綴らせてもらいましたが、それ以外にもとても嬉しく幸せな出来事があり、お願いして撮らせていただいた写真です。

kさんがバングルのお支払いをしてくださる際にバッグから取り出したお財布が、2016年に私が作らせてもらったお財布だったこと。5年前に作らせてもらったお財布を今も使ってくださっていることに感激し、そのことをお伝えすると、「手帳も日々使っていますよ。」とおっしゃって、お仕事帰りのバックから同じく2016年に私が作らせていただいた手帳カバーも登場~。

お財布も手帳カバーも日常を共にするアイテム。オーダーを承って以来、キャリアウーマンのkさんは、タイ→大阪→東京と赴任先が変わり、ご結婚もされ、幾度も生活環境が変わりながらも、変わらず私が作らせてもらったアイテムと共に日々を過ごしてくださっていたなんて、作り手としてこんな幸せなことはありません。

お陰様でNINOやsatosatosaでモノづくりを15年程続けさせてもらってきました。その中で生み出すものを、世にあまたお店や作家さんがいるなかから、私の作ったものを選んでくださる方がいらっしゃるという幸せ。そして、選んでくださったものを長く日常の中で使い続けてくださっているという幸せを味わいました。

そして、この出来事で強く心に刻んだことがあります。

長年のうちに、作り手の私は何百ものモノを作ってきました。しかし、たとえ私が何百、何千ものモノを作ったとしても選んでくださる方にとっては、その時々の暮らしや想いから選んでくださる1点であり、私が納品したらそれで終わりではなく、その方の暮らしに寄り添っていくものだということを、絶対に忘れないようにしたい。

現在は、オーダーのお仕事はお休みさせてもらっていますが、satosatosaや年末のリースの制作は有難いことに続けることができています。今後とも制作にあたっては、手を動かして物を生み出していく喜びに加え、使ってくださる方の日々に想いを馳せ、作品を使ってくださることで、ささやかでも心の潤いになるようなモノづくりをしていきたい、と。改めて心に刻んだ出来事でした。

今年もよろしくお願いいたします

あけましておめでとうございます

2022年、50歳になる私。

人生100年?!とすると、折り返し。

残り半分の人生でも、特別でない普通の毎日を大切に。

外に向きがちな目を、自分の足元や内側に向ける。snsなどであふれかえる情報に右往左往しないよう要注意!!

何事も基盤が大切!基盤がおろそかだと、その上に積み重ねていくものも崩れやすい。私の基盤は家族の心身の健康と円満。

年末に綴ったことと、ほぼ同じ内容になってしまいましたが、日々、この事を忘れないように私の新年の覚書とします。

皆様にとっても健康で幸多い一年となりますように。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

・画像は我が家の屋上から見た今日の富士山とsatosatosaの新作ブローチ

2021 ありがとうございました

2021年も残すところあとわずかとなりました。私は愛知の旦那さんの実家に家族そろって帰省しています。明日には私の実家へ移動し、久しぶりに兄弟も揃い、皆で会うことができるお正月となります。

今年を振り返れば、何より、家族(普段は離れて暮らす両親や兄弟も含め)が円満に健康に過ごせたこと、また、私自身のNINOやsatosatosaの制作活動では、こんなご時世にも関わらず展示販売の機会に恵まれ、沢山の方々に支えていただき継続できたことに幸せと感謝を感じる2021年大晦日の夜です。

来年もすぐ近くに当たり前のようにある大切なことを見失わないようにし、自分の夢へと一歩一歩、歩み続けたいと思います。

今年も1年ありがとうございました。

どうぞよいお年をお迎えください。

友達先生 2

ある土曜日の夕方、塾から帰ってきたちょ太が考え込むような様子で少し元気がない。「どうかしたの?」と尋ねたら、「友達に悪いこと言っちゃった気がしてモヤモヤしてる。」と言う。よくよく話を聞いてみたら、こんな内容。

塾が終わった後、何人かの友達とコンビニに寄って、ジュースやお菓子を食べながらしばらく喋っていたら、雨がポツポツ降り出した。と、その中の一人の男の子が「やべえ、洗濯物を取り込まないと。」と言ったそう。で、ちょ太が「お母さん、出掛けているの?」と聞いたら、その子から「親は2歳の時に離婚して、お父さんと暮らしている。」と返ってきたのだと。とっさに「ごめん。」としか言葉が出てこず、「全然いいよ。」と言ってくれた友達に申し訳ない気持でいると言う。知らなかったとはいえ、何人か友達がいる中で言いにくいことを言わせてしまったと。

私もその話を聞いてズキンと胸が痛んだ。ポツポツ雨が降り出した途端に「やべえ、洗濯物、、、」と即座に反応するということは、日常的に洗濯などの家事を自分の仕事としてやっているからこそなんだろうと、、、多感な年ごろの男の子、今は受験生でもあり色々親に頼りたいことも多いだろうに、土曜日も塾に通いながら家事も頑張っているわが子と同い年の男の子に想いを巡らせて、鼻の奥がツーンとしてきてしまった。

ちょ太には「知らなかったから仕方ないよ。」と慰めつつ、「誰もが親が居るのが当たり前じゃないということを、頭の片隅に置いておかないとね。」とも話しました。

その後、思いがけない出来事が起こりました。学校の給食当番のエプロンを持ち帰っていたちょ太が、洗濯物に出すときに「やってもらうの悪いから、ちょ太がやっておくよ。」と言ってきたのです。えーーーっ!!ビックリ!!

お手伝いを頼んでも、「嫌だよ!何でちょ太がやらなきゃならないの?」と、親がやるのが当然とばかりの態度だった人が、こちらから一言もお願いしていないのに自分から「やるよ。」と申し出てきたのです。驚きつつも、きっと、塾帰りの友達との時間に経験したあの一連の出来事で思うところがあったんだなあと、思い当たりました。

たとえ親がいくら口を酸っぱくして言っても全く心に響かないことも、何気ない一瞬の出来事からでも気づきを得て、あっという間に行動を変えていく強いパワーがあるんだな。結局、人が成長していく最も大きな教材は、人との直接的な関りを通じた経験から、酸いも甘いも味わい自分の心で消化して、次にはより良い言動につなげていくことなんだろうな。

「やべえ、洗濯物・・・」と、雨にとっさに反応した男の子はじめ、ちょ太の周りに居てくれる友達すべてがきっと何気ない日常の中で、沢山の学びをあたえてくれているんだろうと思う。

友達先生 1

ご近所の友達Мさんにお届け物があって外に出ると、ちょうど我が家の前の坂道を歩いて登ってくるМさんに遭遇。

「ちょうど今からお家に伺おうと思っていたところだったんですよ。」とお届け物をお渡しすると、手に提げていらしたナイロンのエコバッグを開けて中に入れようとされたその時、ちらりと見えたバッグの中身。

てっきりスーパーからのお買い物帰りだと思い込んでいた私には、想定外だったその中身とは、沢山の紙くずなのどゴミや空き缶やペットボトル。他に、ゴミ拾いトングも見えました。

「えっ!ゴミ拾いをしてくださっていたんですか?」と驚きつつ伺うと、

「私ね、ゴミを拾わせてもらってるのよ。いつもは朝にやってるんだけど、この頃は寒いじゃない?だから、この時間に行ってきたのよ。」と、偉ぶることもなくいつもの穏やかな調子でさらりとお返事。

知らなかった、、、

静かな朝にゴミ拾い。誰も見ていないだろうし、もちろん、自分から誰かにアピールするでもなく、ただただ、一人でゴミを拾っていらしただなんて。

これまで何度もゆっくりお話しさせてもらったことがあったけれど、一度もこの立派な善行をお話しされることはなかった。多分、この時もたまたまお会いして井戸端会議をしたとしても、バッグを開けるきっかけがなければ、私にゴミ拾いに行った帰りだとお話しされることもなかっただろうなと思う。

Мさんとお別れした後、車で出かけたその道中、このことがずっと頭から離れなかった。他人から認められたいという承認欲求や自分の行動をPRする自己顕示欲のかけらも感じられない尊い行いに、改めて日頃感じていたМさんの上品で気高い雰囲気の訳が少しわかったような気がした。そして、私は大事なことを、言葉ではなくその振る舞いから教えてもらった。

品格は一日にして成らず。常日頃の心掛けが大切。その心掛けも、他人の評価を得るためでなく、自分の中の誠意を大切に行動に移し続ける、ということを。

心が温かくなる

昨日のこと、大学時代からの友人、Fちゃんから荷物が届いた。ちょ太より少し年上のFちゃんの息子君の洋服のお下がりを名古屋からわざわざ送ってくれた。

このお届け物はちょ太が生まれて以来ずっと続けてくれていて、毎年の恒例となっているとはいえ、流石にもう高校生ともなれば体の変化もそこまで大きくなくなるだろうし、サイズアウトする洋服の数も限られてくるだろうと容易に想像できるけれど、今年も変わらず箱にぎっしり詰めて丁寧にメンテナンスされた洋服が届いた。クリスマスの可愛い焼き菓子も一緒に入っていて、Fちゃんが私やちょ太を気にかけてくれて、この箱に洋服やお菓子を詰めてくれている姿が目に浮かんできて、ほわーんと心が温かくなった。ありがとう。

SNS花盛りのご時世で離れた場所に居ても簡単に繋がることもできるけど、それを利用していないFちゃん。お互いの近況報告は、この有難いお届け物に添えられている手書きのカードと、それにお返事する私もお手紙による、年に1度か2度だけれども、心はしっかりつながっている気がするから不思議。