「言わなくても見ている」の法則

先日に参加した町内会の清掃活動での出来事。

近所の方々数人と世間話をしながらお掃除をしていました。その会話の中で、「お宅のお兄ちゃんはは優しいね。」と、一人のおばあさんが仰いました。私は下を向いて草をむしっていたのと、直ぐ近くにいた別の方のお子さんの兄弟構成が上が男の子、下が女の子でしたので「お兄ちゃん」という呼称から、おばあさんの発言はその方に向けてのモノだと思い、私はお返事をしないで黙々と草をむしっていました。

しかし、その後誰もおばあさんの発言にお返事する様子もなく沈黙、、、おや??と思って顔を上げると、そのおばあさんはニコニコしながら私の方にお顔を向けているではありませんが!

「えっ?うちの子のことですが?」と慌ててお返事をすると、

「この間、家の前でボールを蹴って遊んでいる横を通りかかったら、「おばあちゃん自転車を押しましょうか?」と言ってくれてね。優しい子だね。」と、仰いました。

前にもここに綴りましたが、私たちの住まいは山の傾斜地に建っていて、上り坂では自転車にのるのは難しい場所です。そのため、自転車を降りて押しながら歩いている方の姿は近所でよく目にする光景です。そんな日常の中での、一連の出来事だったわけですが、、、

中学一年生になったちょ太は、思春期真っただ中、私には冷めた態度で接することが多い今日この頃。話しかけても「あっそ。」とか「ふーーん。」の一言で会話を終了させるツレナイ奴。そんなちょ太が、まさかおばあさんが自転車を押している姿を見かけて、自分から「お手伝いしましょうか?」と声を掛けるなんて!驚くと同時に、とっても嬉しかった。

ちょ太、ありがとう。お母さんはちょ太を誇らしく思ったよ。勉強も部活も大切なことだけれど、一番大切なことではないからね。周りの人のことを思いやれる優しさと、自分で考えて行動することが出来る実行力、そういうことを身に付けて成長していてくれることが本当に嬉しかった!!

清掃活動から家に戻り、このことをちょ太に伝えて褒めると、普段はツレナイ態度のヒトが照れながら、「それ、○○ちゃん(お姉ちゃん)もやっていたからさー。」と返してきました。

そうなんです!私もこの話を聞いたとき、「あ、お姉ちゃんとやることが一緒だ。」と思ったのですが、ちょ太もそのことを覚えていたんだなあ。で、再びこの法則の威力を思い知る。「言わなくても見ている」

あれやこれやと事細かに言っても、そのことを言う本人(親や先生)が実際に行動できていないと、全くと言っていいほど効き目はない。けれど、実際に行動していることを目にして心に刻まれたことは、いちいちうるさく言わなくてもちゃんと身につくものなんだなあと。

思春期に差し掛かったタイミングで、このことを改めて実感できるエピソードが起こって、私は親として幸運だったな。ツレナイ態度の中学生男子を無理にコントロールしようとせず、優しく実行力のある心が育っていることを信頼しよう。「言わなくても見ている。」と肝に銘じて、私自身が物事に誠実に自分の本分を一生懸命に取り組むようにしていこう。

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