名刺、カードケースを作りました。
外側には、おうとつがあり、さりげない金・銀のラメ入りという、ニュアンスのある革を使ってみました。
色は、真っ白ではなく、アイボリー。優しくて上品な印象です。
革を2枚重ねて、作っています。
蓋を開けたときには、違う表情が楽しめます。
内側の色は、シルバー、(自分で染色した)紫、(ちょっと渋めの)ターコイズブルー、ブロンズの4色です。
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このカードケース、色や形や素材を頭に思い描いたところまでは良かったものの、実際に形にするのは甘いものではありませんでした。
まず、ホックでつまづく。市内の革材料店や手芸屋で購入したバネホックは、試作で使ってみると強度や耐久性に疑問が発生。いろいろ検討した結果、日本の信頼できるメーカーのものを専門の問屋さんから購入することに。最小発注の単位が1000個からだったのが私には難点でしたが、無責任なものを使うことに比べればと、購入することに。
それから、2枚重ねた革を縫うこと。場所によっては、3枚重ねしたところを縫うことになり、立体的な形を維持しながら、分厚い革を手縫いするのは、思った以上に大変でした。
最大の難関だったのは、エッジの着色。
蓋を閉じた状態で、白い箱みたいな感じにしたかったので、切りっぱなしだとツートンカラーになるエッジ部分をを着色する必要がありました。しかし、革用で市販されているエッジの着色剤は、真っ白しかなく、アイボリーのケースに塗ると、取って付けたようなわざとらしさが漂ってしまいました。
それでもどうしても、思い描いたイメージを諦めきれず、結局、本体とエッジが一体化して見えるような剤を、自分で作ることに。。。
革という素材に馴染み、立体的な形にも無理なく対応し、日常的な使用に耐えるような方法を、「調べる」→「試す」の繰り返し。材料を取り寄せては、自分で調合して、夜な夜な実験。まるで化学者にでもなったような気分でした。
途中、「これなら大丈夫♪」と思って、30個ほどのケースを完成させた数日後、問題が発生し、泣く泣く全てやすりではがすという、切ない作業を2度ほど。
実用品を作るとは、見た目の雰囲気を完成させるだけでは済まないんだなあと、身にしみて理解したカードケース作りでした。