以前、戦後すぐに建てられた古い家にお邪魔したことがあります。
広い庭に溢れる緑、その中に建つ古い平屋の住宅。
とても雰囲気があるお宅でした。
その家の台所の食器棚は、当時の大工さんが作り付けてくれたものとのこと。
時を経ていい感じに飴色になった木製の扉には、古い波ガラスがはめられていました。
もちろん、家や庭も素敵だったけど、私はその食器棚のことが何故だか一番印象深く残りました。
それから、数年。
先日、写真のキャビネットを拾いました。
粗大ゴミ扱いで捨てられていたのです。
飴色に変色した木製の扉に、波ガラス。
あの家の台所にあった食器棚をすぐに思い出しました。
大興奮で私がとった行動は・・・
「後で取りに来ますので、回収しないで下さい。」と、そのゴミ(キャビネット)に張り紙をしたこと。(笑)
旦那さんにお願いして、車で我が家まで運びました。
四六時中思いつづけている訳ではないですが、頭の片隅に残してあるものに、思いがけず出会える時があります。
そんな時は、そのものとの縁を勝手に感じでしまう私です。