山口旅 2

旅の3日目の午後、萩市から山口市へ移動。

旦那さんの大学時代の同級生・Kさん夫妻を訪ねました。奥さまのAちゃんも学生時代からのお付き合いで、私たち夫婦やほかの友達も含め、当時は皆で花火や海へ行ったことも。

そんな学生時代の思い出を持つ4人が、50代になって再会したこの夜。趣ある料亭のようなレストランから、路地裏の洒落たバーへ――そんな素敵なお店をセレクトしてくれたKさんの「わざわざ静岡から来てくれてありがとう」の気持ちが伝わってきて、胸がいっぱいに。

近況報告や思い出話に加えて、今では親としての話題も。懐かしさとともに、年月の流れをしみじみと感じました。

30数年前、K夫妻は美男美女のイマドキ大学生。その後、旦那さん同士はたまに会っていたけれど、私とAちゃんは別々の大学だったこともあり、会うのは学生時代以来。久々に会った彼女は、良い意味で大きく変わっていました。

かつてアイドルのように可憐だった面影を残しつつ、今はどこか凛とした佇まいに。内側は外側に表れると言うけれど、それを体現しているように感じました。

彼女は、結婚と同時に生まれ育った愛知から、Kさんのの実家である山口のお寺へ。

見知らぬ土地で、お寺の奥さまとしての務めを一から学び、日々の祈りや暮らしを丁寧に積み重ねてきたのだと思います。広い境内の掃除や檀家さんとのお付き合い、子育てに奮闘する日々。その経験を通じて積み重ねられた時間が外側の気品ある凛とした佇まいに深みとしてにじみ出ているように感じました。

若かりし時に好きな人と人生を共にする決断をし、実家から遠く離れた誰も知り合いのいない地、慣れない環境に飛び込み、覚悟を持って暮らしを営んできたAちゃん。再会した彼女の姿から、「日々を丁寧に積み重ねること」の大切さを、改めて教えてもらった気がします。

最終日の朝に訪れたK夫妻のお寺。広いお庭も、立派な仏様も細工の美しい欄間も隅々まで埃一つなく清められていました。